「春のまどろみの中で」
桜が咲いた
今年もまた 咲き始めた
去年と同じレモネードを飲みながら思い出に耽ってみたりする
咲くか、咲かぬか
されどいつかは咲く
今に見てろよ なんて具合に
膨れ上がり赤みを帯びた蕾の群れ
近いうちの 満開に咲き誇る光景の訪れを予感させる
さて
自分はどれだけ成長することができたのだろうか
並木道をゆっくりと歩きながら
かたわら毎度同じように咲く花を思いながら
そんなことを考えるのは矛盾していますか?
いや、反対に
それ自体が答えとなっているのでしょうか
毎年、毎年
懲りずに同じ花を咲かせ
生きゆくとも死にゆくともつかないままに
存在を続ける 桜の樹が……